技術戦略
持続可能性 / オープンクローズ / イノベーション / モジュール化 / IoT / 未来感
技術戦略
持続可能性 / オープンクローズ / イノベーション / モジュール化 / IoT / 未来感
品質マネジメントシステム
ISO13485 / 169号 / QSR / 医療機器開発 / 量産
バリデーション
妥当性 / 設計 / プロセス / 設備適格性 / 検査
設備投資
投資効果 / URS / DR / サーボかカムか / ICT
コンピュータ化システムバリデーション
GAMP5 / 21CFR Part11 / ISO80002-2
技術デューデリジェンス
優位性 / 事業承継 / M&A / 技術シナジー
代表社員
ようこそ。合同会社 長谷川文也技術士事務所へ!
2015年に 技術士 機械部門 加工・ファクトリーオートメーション及び産業機械 を取得し、兵庫県神戸市を拠点に活動しております。
自分が「当事者」で、自分が語りたいことの根源とは何か?を考え続けている。
「自分事」「当事者」であれば、『もし・たとえば』という言葉は出ない。
『もし・たとえば』を使うということは、今ここで自分が語っていることが、どこからか引っ張ってきた引用やウケウリである。
引用やウケウリを自身の思考に取り入れ、すり合わせ、新しい考え方を創造することは、悪いことではなくいい事である。
しかし、その創造した事柄が、「今ここ」に当てはまるのかを考え抜いたか/考えていないかで、『もし・たとえば』を使う/使わないの差が出てくる気がする。
(たとえば(笑))、ものづくり世界だと、「クルマなら・・・」と語る人がいる。「たとえばクルマなら」「もしクルマなら」と、『もし・たとえば』を使わざるを得ない。そのクルマからの引用やウケウリと、「今ここ」の「当事者」である自分の知識、経験、想いにすり合わせながら当てはめ、「自分事」にする過程が抜けているのである。
「もし私なら」「たとえば私なら」ということがある。これも「自分事」にする過程の途中。自分が「当事者」になりきれていない。相手と共感し、体験を共有し、相手に入り込めていない状態であると考えられる。
『もし・たとえば』を使わず語る人は、日々、自分が語りたいことに対して、いろいろな、経験、知識を呼び出し、さまざまな情報とすり合わせ、夢の中でも考え、時間を凝縮し、次元を超えて考え抜き、自分の思考として再構築する訓練、練習、妄想を日々繰り返している人だろうと思う。
何かを実行するとき、中途半端は後悔することが分かっている人。だから、『もし・たとえば』はあり得ない。
『もし・たとえば』で他人は共感しない。自分事でなければ。
2019年、日本の名の知れた企業からボロボロと品質不正問題が報告されました。
日本は比較的高水準の品質を維持してきたという自負があったでしょうが、なれ合い、隠ぺい、改ざん、良いとこどり。。高度経済成長で日本が作り上げた品質は、それを作り上げていた頃の緊張感を受け継ぐことなく時代が進んでいく。
今は、大量生産から変種変量、一品一様、人不足、技術伝承など状況が異なる背景も影響しているでしょう。
品質の仕組みは、QC、TQC、TQMと進化し、品質認証ではISO9001、自動車ではIATF16949などがあります。時代が進んでいけば、仕組みや認証制度は充実しているはずです。
品質の仕組みを構築し、品質認証を取得し、維持することは大変です。通常のやり方では、紙の記録まみれになり、業務が煩雑化し、現場は疲弊し、その結果、なれ合い、隠ぺい、改ざんが起こります。
『品質問題が出ました。人によるダブルチェックを行います。』は、最悪です。
こういう時代を先読みし、煩雑化、紙の記録の氾濫にいち早く反応したのが、FDAでした。
1997年8月 米国FDAは、記録書類のペーパーレスを見越して、21 CFR Part11「電子記録・電子署名に関する規制」を発行します。
ここに、コンピュータ化システムバリデーション(CSV)が誕生します。
品質を維持しながら業務効率を上げる。それは、紙の氾濫を抑えることであり、それには電子化が必須で、電子化を達成するには、コンピュータを使った仕組みの妥当性の確認が必須と考えた訳です。
ただ、この規制の発行が早すぎました。当時のソフトウエアの力では、膨大なコストと手間がかかり、これらの規制要求が満たせませんでした。10年前でもこれを満たす仕組みが多くなく、莫大な投資が必要であったことを記憶しています。
Part11発行から、20年以上の混乱の中、GAMPを始め、CSVに関するガイダンスの発効、それに基づく解釈を経て現在に至ります。ソフトウエアの進化もあり、今は、かなり要求を満たせるようになってきました。
一方、ソフトの進化でAIの台頭など、ソフトがより複雑化し、人がロジックを理解できない状態、すなわちブラックボックス化されつつあると言われます。今、CSVの意義が試されています。
CSVとは、コンピュータシステムで統合された工程または作業、及びコンピュータシステムにより実現される機能を利用する業務プロセス全体の妥当性確認を示します。
コンピュータ化システムバリデーションです。「化」がその仕組み全体を示しています。
また、コンピュータ化システムの開発から運用、廃棄といったシステムライフサイクルにおける活動全般の妥当性確認を行うことです。
医薬品、医療機器以外のものづくりに欠けているのは、あらゆるコンピュータ化システムのCSVが実施されていないことです。
当たり前ですが、電子化で効率化する一方で、デジタルデータは仕組みが無いと簡単に改ざんできます。バグも起こります。
また、品質は、仕組みも大事ですが、継続した緊張感が大切です。
医薬品、医療機器は、FDAを含めた規制当局の厳しい査察(査察がいずれ来る)による緊張感によって、様々な業界を見渡してもトップレベルの品質維持が出来ています。
様々な業界の品質問題を見るたびに、CSVの仕組みが根付いていれば、もう少しマシな結果だったのでは、と感じます。
CSVは、複雑化するコンピュータの仕組みを使いこなすための手法として、今後、様々な業界で採用されていくことになるでしょう。