結論、実行できるリーダー、胆識があるリーダーが存在する必要があると言える。

企業人のほとんどは、言っていることとやっていることが違う。言いっぱなしが多い。実行しない。
「実行しなくても将来は保証されている。」
「実行しなくても自分に危害はない。」
「実行しなくても世の中回っていく。」
「実行しなくても将来安泰で幸せだ。」

PDCAは流行り。
P(プラン)はする。何か形を報告せねばならないから。
D(Do,実行)は絶対しない。
「プランで満足してしまう。」
「自己完結してしまう。」
「実行して失敗するのが怖い(自分の立場が脅かされる)。」

このような、様々な心理バイアスが実行者に襲い掛かるからである。

実行とは、3現主義(現場、現物、現実)によって、現実に働きかける体系的な方法である。それはすなわち胆識であり、知識、見識の元で成り立つ。

自社にどの程度の実行力があるかを推し量り、実行できる人材と結びつけ、様々な立場の人が協調して情熱を燃やすようにし、ビジョンを明確にし、何をすべきかを考えさせる(それをやりたいのか。)。
そして、広い視野を持って、外部環境を見つめ、思い込みをせず、独立した他者の意見を傾聴し、議論し、よい質問をし、絶えずメンタルをフォローし、明確な権限を与え、責任を求める。

実行は、3現主義からの精度の高い仮説と情熱によって成り立つ。決して仮説の無い想像だけで実行してはならない。失敗するだけだ。そして、精度の高い仮説を立てるには、知識、見識とセンスが要る。

企業がイノベーションを起こすには、中から変わらねばならない。企業人の一人ひとりが、様々な心理バイアスから脱却できないといけない。安心してはいけない。情熱を燃やさねばならない。

変わる方法はトップダウンが理想である。

それが不可能であれば、アジャイル的手法を使う。小さく始めて早く成功させ、数をこなす。これを伝染させていく。

ただし、その成功を実行しない保守者に取られてはならない。大概、企業イノベーターは保守者に横取りされ、挫折する。保守者に取られない根回しとしたたかさも必要である。