問題解決にあたっては、まず問題をとらえるところから始まります。
3現主義(現場、現物、現実)が基本ですね。

現場

現場で一番大事なのは、「いつもと違うことをしていなかったか?」です。

今までは大丈夫だったのに。という場合、いつもと違うことを必ずしているか、起こっています。この場合、4M(Man,Machine,Method,Material)を基本として考えます。また、環境や雰囲気も加味して、いつもと違う変化を捉えます。
・気温・湿度
・生産設備の状況・設定・調子
・雰囲気(整然か、雑然か)
などです。

現物

よくあるのが、「不良品は捨てました。」です。不良品はとにかく取っておきましょう。不良品を観察することにより得られる情報は膨大で、かつ確固たる証拠品となります。
現物をとにかく見ます。原理原則を考えてみます。何も考えずに見ます。誰かに見せます。時間を置いてからみます。

このように視点を変えて現物を見ることで、何かが見えてきます。

とことん拡大します。当てる光を変えて見ます。
化学的に見ます。有機物か無機物か。何の原子がくっついているか。酸化物か。化学変化か。単なる混合物か。
物性変化を見ます。かたいかやわらかいか。もろいか。
良品と徹底的に比較します。化学的なところから、物理的なところまで。

現実

現場、現物の状況と原理原則に基づき、不良情報が現物に転写された過程を認知していきます。

よくやりがちな間違いは、想像と現実をごちゃまぜにすることです。

人はおうちゃくなので、ある程度目処がつくと考えるのをやめ、想像で片付ける習性があります。自分は現実でものを言っているか、想像なのかをよく考えて過程を認知していきます。
もうひとつは、原理原則を意識しないために根本原因ではなく発生原因を原因ととらえることです。
上っ面の現実をとらえてしまい、発生原因の対策を実施した結果、根本原因は解決していませんから、それを基に別の発生原因で別の不良品が発生するといった事が起こります。

仮説立証から対策

さて、この3現主義から、実際の対策を実施することを考えていくことになります。現場、現物から全ての現実を捉えられ、そこからの根本原因が明確であればよいのですが、実際はなかなかそうはなりません。たいがい、情報が一部足りない状態となります。
そこで、仮説という概念が登場します。仮説を立て、それを再現させ、実証することで、根本原因がそれである。ということを証明します。ただ、この仮説、実証サイクルも実際は膨大な費用や時間が必要となる事がほとんどです。このギャップを埋め、出来る限り真実に近い仮説を立てるところが腕の見せどころであり、知識・経験・知恵に基づくセンスが問われます。

水平展開も意識します。同様の事象が他で起こらないか。を想像力を働かせて考えます。リスクがあるならそれらも手当てします。