デザインレビュー。
デザイン(Design)は、「設計」という意味です。
レビュー(Review)は、「批評する」「再調査する」「よく調べる」「反省する」「回想する」という意味です。

JIS Q 9001(ISO 9001)では、設計・開発のレビューとして、以下の通り、規定されています。以下、ISO9001:2008(JIS Q 9001:2008) 本文抜粋

7.3.4 設計・開発のレビュー
設計・開発の適切な段階において、次の事項を目的として、計画されたとおりに(7.3.1参照)体系的なレビューを行わなければならない。
a) 設計・開発の結果が要求事項を満たせるかどうかを評価する。
b) 問題を明確にし、必要な処置を提案する。

そして、ISO9001では、「レビュー」「検証」「妥当性の確認」が区別され、7.3.5 検証、7.3.6 妥当性確認として、7.3.4 設計・開発のレビューとは別に規定されています。

設備投資においては、具体的に以下のような事を実施します。

a) 設計・開発の結果が要求事項を満たせるかどうかを評価する。
仕様書を作るところで考えた要求事項が実際の設備設計段階で実現できるのかどうかを確認します。

例えば、要求仕様書にある要求事項の1つ1つを箇条書きにして、実際の設計に反映されているかどうかをチェックしていきます。抜け漏れがあれば、それを設計に反映させるべく考えます。
本来は、要求事項のさらなる上流である、顧客のニーズや類似商品の問題点などが設計・開発段階で要求事項として含まれているかをトレーサブルにしていきます。

b)で問題を明確にし、必要な処置を提案する。
問題を明確にする。これを実際にものづくりを行う前に実施します。構想や図面が出来た段階で、設備のライフサイクルをイメージし、設計者、製作者、使用者が集まり、この設備を実際どの様に作って設置し、どの様に動かして使って、保守して、捨てるのかをシミュレートします。
ものを作る上でなぜそのような設計や運用を考えたのか。そこには必ず理由があります。
無駄な動きはないか。安全性に問題はないか。非常停止後の復帰は。油が製品に落ちないか。摩耗粉などが落ちないか。
図面というバーチャルな段階で事前にリスク(重大度×頻度×回避可能性)を定量的に算出し、優先順位を決定しながら、具体的処置を決めます。

レビュー(Review)は、「見直し」の意味が含まれており、「必要なら変える」ということを意味します。

実物が出来てしまうと変えることは大変です。図面というバーチャルな段階でのレビューは、設備のQCDのほとんどを担う非常に大切なプロセスです。